国際郵便の追跡画面にある「保税運送」とは?

外国から来る国際郵便物を追跡検索した時に「保税運送中」と登録されていることがあります。

この保税運送とはどういった運送なのか、外国来郵便物を例にみていきましょう。

 

簡単に保税運送を説明すると


国際郵便物(外国貨物)を空港・港湾から国際郵便局、または国際郵便局の相互間で運送することをいいます。

【空港・港湾】⇔【国際郵便局】
【国際郵便局】⇔【国際郵便局】

国際郵便局(国際交換局)は国際郵便物の通関交換業務を行う郵便局で、税関の出張所である外郵出張所が設置されています。

決められた場所にしか置けない外国貨物

原則として外国から来た国際郵便物(外国貨物)は保税地域という決められた場所に留め置く必要があります。
※外国貨物の発着する空港や通関処理をする国際郵便局はその場所に選ばれています

自由な場所に置かれたり、運べたりすると、その国際郵便物の監視が行き届かなくなってしまいます。

・麻薬やコピー商品など害悪品の取締が不十分になる
・税金が取りっ逸れる可能性がある
・通関業務の効率が悪くなる などなど

こういった不正行為がないように、また業務効率を上げるためにこのような制度が整えられています。

実際にコンテナヤードで通関作業をするより税関のある場所に運んで作業したほうが便利ですよね。

追跡で出てくるのは国際郵便局間の運送


WEB追跡で「保税運送中」と出てくるのは、国際郵便局の相互間での保税運送がほとんどだと思います。

通関はあて先のエリアを管轄している税関が行います。

保税輸送の一連の流れを

『あて先が愛知であれば中部国際郵便局内の中部外郵出張所で行うことになりますが、差出国からの国際郵便物が中部国際空港に直接送られてくれば手続きとしてもスムーズです。

しかし事情で適当な航空航路がなかったら、別の空港に到着することがあります。例えば成田空港に到着すれば一旦川崎東or東京国際郵便局に入ります。エリアの管轄外のため通関処理せず、中部国際局に保税運送するのです。』

 
通関する国際郵便局に向かうまでの一連の流れはわかっていただけたでしょうか?

ちなみに現時点(令和5年)で航空小包郵便物は川崎東郵便局、EMSは東京国際郵便局の取り扱いです※外国来
⇒航空便を扱うのは東京国際(EMSのみ)、中部国際、大阪国際、新福岡及び那覇中央の5局、航空便及び船便を扱うのが川崎東の1局

運送にはどれくらい時間がかかる?

まず、輸送手段には陸路・海路・空路のいずれも含まれます。つまり船舶・航空機・車両などを使って運送ができ、輸送手段に制限はありません。

どれくらいで到着するのか、大まかな目安を挙げます。

■川崎東郵便局(神奈川)から大阪国際郵便局(大阪):
○月6日 00:20⇒○月7日 12:58 約2日

■大阪国際郵便局(大阪)から新福岡郵便局(福岡):
○月8日 9:00⇒○月9日 6:14 約1日

■川崎東郵便局(神奈川)から中部国際郵便局(愛知):
○月3日 00:20⇒○月3日 12:01 当日中

もちろん利用する輸送手段や交通状況などで変わるとは思いますが、近距離間であれば当日中に到着することもあるようです。

先にも挙げましたが、未通関のまま運送されていきます。到着後に、通関手続きがあります。




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