青い郵便ポスト/青ポスト
郵便ポストといえば赤色。目立つ色にするためとか、イギリスの郵便制度を参考にしたため、その色が赤になったとも言われています。
そんな中で、今や珍しい青い色に塗られた郵便ポストがあるってこと知っていました?
その青ポストは速達専用のポスト(※一部例外はあります)で、速達郵便のニーズの高いオフィス街用に設置されたものです。
この青い郵便ポストがどのようなものだったのか見ていきましょう
最初は限られた地域だけ
速達専用の青ポストが登場したのは1956年4月11日(取扱は4月20日から)のことでした。
ちょうどその頃の日本は高度成長期真っ只中。活発な経済活動によって、郵便の需要はどんどん増えていきます。
最初に取り付けられたのは東京都内と横浜の限られた地域でした。
都内・・・千代田区、中央区、港区の35個
横浜・・・中区、神奈川区、西区の7個
計42個設置されました。この時に設置されたのは特に速達郵便のニーズが高いオフィス街のみ。
当時は一日7・8回前後、収集しにいったそうです。
文字通りの専用
上にある写真は郵政博物館に所蔵されている速達専用の青ポストですが、この形の郵便ポストは1959年にお目見えしたもので、最初に登場したものとは違います。
郵便創業120年の歴史(郵政省郵務局郵便事業史編纂室編/ぎょうせい/’91.12)によると
(1959年)4月18日には、箱型のポストを円柱の長い脚が支える、速達専用の青ポストが登場した。
昭和31年(1956年)に、赤くて丸い、1号ポストと呼ばれているものを青色とし、速達専用ポストとして設置していた。
いわば代用であったが、文字どおりの専用ポストが登場したのである
つまり赤い丸型ポストに使われていたものをそのまま青に塗りつぶして使用していたようです。当時の写真を見てみると丸型ポストに「速達郵便専用」の表記がありました。
その名も「郵便差出箱 四号」
1959年に登場した”箱型のポストを円柱の長い脚が支える、速達専用の青ポスト”はきちんとした正式名称があります。
「郵便差出箱 四号(特四号)」
郵便ポストの正式名称である郵便差出箱と、その中での区別として四号と呼ばれていています。ちなみに代用に使われた赤い丸型ポストは上記にもあるように一号(丸型)と呼ばれています。
本体の高さ約81cm 幅約38cm(脚部の高さ約58cm 直径約14cm)で、大まかな容量として400通の郵便物が投函できるような設計になっています。
なんで青いの?
実は速達専用の郵便ポストが現れる前に速達の前身でもあった航空郵便専用の郵便ポストがありました。
その色は青色(というか少し緑っぽいけど・・・)。“航空”ということなので空をイメージして青色にしたんでしょうね。
ていぱ~く(逓信総合博物館)の説明板には
昭和四年四月一日、航空郵便制度が施行されました。それに伴い、細身の航空郵便専用のポストが東京、大阪、福岡に設置され、
昭和七年には静岡にも設置されました。スカイブルーのポストの色は後の速達専用ポストに引き継がれました
とあります。
航空郵便専用ポストの色が速達専用ポストにも引き継がれたのと、赤い郵便ポストとの対比というか違いを強調するために青色に塗装されたのだと考えられます。
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