“Post”ではない?スペインとポルトガルの”郵便”
日本で郵便や郵政は”郵”が字が使われていますが、中国では”邮”の字が使われます。
ただ、郵便であろうが”邮”便であろうが、どちらも横文字にすれば”POST”になります。事業体ベースにすると”JAPAN POST”になり、中国だと”CHINA POST”となります。
多くの国で郵便は”POST”であらわされていますが、世界の郵便事業体の名称をみるとおもしろいことに気づきます。
POSTは使わない?
ドイツは”Deutsche Post”・イタリア”Poste italiane”・フランス”La Poste”
これが南下してイベリア半島からは変わってきます。
スペインは”Correos“そしてお隣の国ポルトガルでは”CTT Correios“となり”Post”は使われていません。
“correo”も”correio”はもちろんどちらとも郵便や郵便局の意味です。スペインやポルトガルだけでなく、2つの言語圏の国でも”Post”ではなくこれらが使われています。
たとえばメキシコだと”Correos de Mexico”、ブラジルは”correios”、アンゴラは”Correios de Angola”となり旧植民地だった南米やアフリカの国々の間で使われています。
ラテン語の走る
“correo”そして”correio”はラテン語の”currere”が語源といわれています。「走る・急ぐ」がその意味で、今では多くの単語の語源になっています。
たとえばイタリア語だと
・correre-走る・急ぐ・広がる
・corriere-宅配人・伝令・飛脚・郵便配達
これがフランス語になると
・courre(古語)→courir-走る
・courrier-郵便、使者
英語だと
・currency-通貨
・course-コース、進行、進路
カリキュラムやカーソル、そして今では国際宅配便の意味で使われるクーリエも元々は急使や特使という意味でこれも”currere”から派生した単語です。
でも郵便ポストの色は・・・
言葉の上での共通はあるのに、郵便ポストの色は共通点がありません(というかどこの国を見渡しても赤か黄色がほとんどなんですが・・・)。
スペインのポストの色は黄色ですが、メキシコとアルゼンチンは赤色
ポルトガルのポストの色は赤なのに、ブラジルは黄色だったりします。
その国が影響を受けた郵便制度が旧宗主国と違うからなんでしょうね。ちなみに日本はイギリスの郵便制度の影響を受けたため、郵便ポストの色もイギリスと同じ赤色になりました。
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