一枚の切手を売るだけで分かる!?国民性と「時間」の感覚

「沈没しそうな船から各国の乗客を海に飛び込ませるには、どのように呼びかければいいか?」という有名なジョークがあります。

・アメリカ人には「飛び込めばヒーローですよ」と伝えれば飛び込んくれる

・イギリス人には「飛び込むのが紳士ですよ」と伝えれれば飛び込んでくれる

○○国の人は・・・と、つらつら書きこんでいくと長くなるので端折りますが

日本人にはどう伝えればいいのかと言うと

「みんな飛び込んでますよ」だそうです。

各国の国民性を上手く表現したジョークでとても面白いと思います。

それにしても国民性とはどうやって形成されていくのでしょうか?

時間にルーズな国があったり、逆に時間をきっちり守る国があったり・・・。その国の人間が辿ってきた歴史と密接に関わり合った結果だと思いますが、いろいろと調べてみるのも面白いと思います。

 

切手を売る速度で測る「生活のペース」

アメリカの心理学者、ロバート・レヴィーン教授(カリフォルニア州大学)は、世界各国の「生活のペース」を比較するという、少し変わった調査を行いました。

・対象:世界31カ国の主要都市 例)東京やロンドン、ニューヨークなど

・時期:1992~95年の温暖な季節

・測定する尺度

  1. 歩く速度
  2. 公共の時計の正確さ
  3. 郵便局で切手を1枚販売するまでの処理速度

このサイトは郵便のサイトなので3番だけをピックアップしてみてみます。

世界ランキングが示した意外な結果

切手販売の処理速度ランキングは、次のような結果になりました。

第一位はドイツ、二位はスイス、三位はアイルランド、四位に日本がランクインしています。

この並びを見て、妙に納得する人も多いと思います。いずれも「時間に厳格」「几帳面」といったイメージを持たれやすい国です。

だが、日本については興味深い補足があります。

頼まれていなくても切手を小袋に入れたり、丁寧に領収書を書いたり、そうしたサービスとしての丁寧さもすべて処理時間に含まれていたようです。もし純粋に「切手を渡す行為」だけを測っていれば、日本は1位になっていた可能性もあったといいます。

遅い国が「劣っている」わけではない

一方で、ランキング下位の国

たとえばメキシコは時間おおらかと言われる文化を持つ国ですが、この調査でも処理速度は遅い部類に入っています。

ある国ではこの実験自体を馬鹿にされることもあったり、おつりを返す概念がなく測定不能の国もあったようで・・・・

ここで重要なのは、
速い=優秀、遅い=劣っている
ではないという点です。

切手1枚を売るという行為に、その社会が何を大切にしているかが表れているだけなのです。

切手1枚に現れる国民性

ある国では・・・「正確さ」と「効率」が最優先される。
ある国では・・・「人とのやり取り」や「その場の流れ」が重視される。

切手1枚を売る 切手1枚を買う その一瞬

それだけの行為なのに、そこには歴史・価値観・社会規範などいろんなものが凝縮されているのです。その国の「時間との付き合い方」が静かに表れているのかもしれませんね。

付記
この調査についてより詳しく知りたい場合は、ロバート・レヴィーン著『あなたはどれだけ待てますか?-せっかち文化とのんびり文化の徹底比較』(草思社)をご一読ください。




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