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郵便配達と拳銃

時折ニュースで騒ぎとなる発砲事件。

そんなニュースが出るたびに物騒な世の中になったもんだと、暗い気分になります。そうはいっても世間一般の人たちにとって銃は遠い存在です。

昔、猟師がイノシシを捕えたということで見に行ったことがあります。猟銃を持った猟師が数人とその傍らに息絶えたイノシシが横たわっていました。見に行ったおかげでめったに食べることができない牡丹鍋にありつくことができ大満足した思い出があります。

猟銃を持つには当然、許可が必要です。猟銃は別として、私たちの身近で拳銃をもっている人と言えばお巡りさんですよね

そのお巡りさんが拳銃を持つようになるより先に、拳銃を持つのを許されていたのが郵便配達人でした。

 

取り扱いは厳格に

時は明治維新から数えて6年。当時は山賊やら盗賊の類も多かったのでしょう、実際、配達中に襲われてしまうこともありました。そんな奴らから郵便物を守るために六連発拳銃の携帯が許可されることになります。※

むろんむやみやたらに発砲していいわけがなく、盗賊に出会っても身の危険が迫るまでは発砲することはできませんでした。

そういう意味では現在のお巡りさんの銃の取り扱いとさほど違わないですね。

あくまでも郵便物を保護するためのものなので、仮に賊難に遭ったとしても運び終え郵便物を持っていない時は発砲できないくらい厳格に取り扱われていたようです(話によると弾丸を紛失すると罰金がとられる規約もあったんだとか)。

 

襲ってくるのは人間だけ?

郵便配達中に襲いかかってくる危険があるのは何も人間だけではありません。

「ある日、森の中〜♪」じゃないですが運悪く熊やイノシシ、猿などにばったり出くわし襲われてしまうことだってあるでしょう。
いまでもたまに熊に襲われた、イノシシに噛みつかれた、なんてニュースを聞きますもの。

1887年の郵便物保護銃規則には
『第三絛 郵便逓送集配人服務中強盗ノ脅迫若クハ猛獣ノ危難 遭遇シ郵便物ノ安全及自己ノ身体ヲ防御〜(略)』

要は郵便配達の時に盗賊や猛獣が襲ってきて、やむなく発砲してしまった時は後できちんと報告しなさい、ということが書かれています。
この規則には盗賊だけでなく『猛獣』の文字もしっかりと盛り込まれています

1916年には郵便物保護銃使用規定が制定され実質的に拳銃の使用範囲が vs猛獣にまで広がっています。

銃を所持していることへの安心感もあったでしょうが、使用の制限も厳しく、撃ったら撃ったで事後処理の手続きも面倒なことから持つのを嫌がった人もいたんだそうです。

そんな郵便保護銃も第二次大戦後まもないころまで携帯されていたようです。

 

※「前島密:日本郵便の父」(萩原達著 通信教育振興会)の本文には

通信の安全を謀るには郵便物の中に貴重品(お金・宝石等)のないことを広く知らせるのが一番と思い、こういったものを信書の中に入れるのを禁じました。

それでも賊難に遭ってしまいうことも度々でした。

それで郵便為替を開設するまでの姑息策として貨幣郵便というものを設けて、この逓送人には常にピストルを携帯させました。

(一部要約)


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